転生したのに0レベル
〜チートがもらえなかったので、のんびり暮らします〜


319 ここの土を使って階段を作っちゃダメなんだって



 僕たちはみんな、木に登るならはしごがいるなぁって思ってたんだけど、そう言えば階段を作っても同じように高い所に登れるよね。

「そっか! 石で作るなら木を切らなくてもいいもんね。お父さん、頭いい!」

「あっでも、この木の周りの土を使っても大丈夫なのかしら?」

 お父さんに教えてもらって、僕はただすごいなぁって思ってたんだけど、そしたらお母さんがこんな事を言い出したんだ。

 でもそっか。確かに、ここの土を使った階段を作ったら、ベニオウの木が倒れちゃうかもしれない。

「それに階段を作るって言っても、ここには水がめに付けたようなのを作るほどの広さはないわよ?」

 それにね、ここは森の中だから木がいっぱい生えてるんだよね。

 だからお母さんの言う通り、お家の庭に作った階段とおんなじようには作る事ができそうにないんだ。

 でもさ、それに関しては何とかなると思うんだよね。

「ねぇ、ルディーン。もしかして、階段も作れないの?」

「大丈夫だよ、キャリーナ姉ちゃん。階段は違う形のを作ればいいもん」

 場所があんまりないって言っても、おっきなベニオウの木が生えてるんだからその根っこが貼ってるとこには他の木は生えてない。

 だからそこの場所だけを使って階段を作れば大丈夫だって、僕は思ってるんだ。

「でもでも、お母さんは、ここの土を使っちゃダメって言ってるよ?」

「それも大丈夫だよ。だってここのがダメだったら、他から持ってくればいいだけだもん」

 階段に使う石を作るだけなんだから、別にここにある土を使わなきゃダメなわけじゃないでしょ?

 この近くには川も流れてるんだし、そこから石を持ってきて作った方が土を石にして階段を作る方がずっと楽ちんだって僕、思うんだ。

 だからキャリーナ姉ちゃんにそう話したんだけど、そしたら今度はディック兄ちゃんが僕に聞いてきたんだよね。

「川から石を持ってくるって簡単に言うけど、ここには荷車も馬車も無いんだぞ? どうするんだ?」

「確かに階段を作れるくらいの石となると、持ってくるだけで一苦労だろうな」

 おまけにお父さんまで一緒になってこんな事言い出したもんだから、キャリーナ姉ちゃんがまた心配になったみたいでしょんぼりしちゃった。

 だから僕、お姉ちゃんが安心できるように教えてあげたんだよ。

「大丈夫だよ。僕、重たいものを運ぶ魔法、使えるもん」

「ほんと? 石、いっぱいいるんでしょ?」

「うん! 僕たちが乗ってきた馬車に使った魔法を使えば、そんなの簡単だよ」

「そっか! 馬車の魔法があったね」

 お尻が痛くならない馬車の魔道具に使った魔法、フロートボードはもともとおっきな石を運ぶための魔法なんだよね。

 それにこの魔法は上に載っけたのもが落ちないようにくっつくようになってるから、河原に落ちてる石をクリエイト魔法を使っておっきな一塊の石にしちゃえば木を避けながらくねくね移動しながら運んできても大丈夫だ。

「なるほど、それなら確かに大丈夫そうだな」

「うん。だから僕、石を取ってくるね」

「いやいや、一人で行くのは流石に危ないだろ。シーラ、俺はルディーンと河原まで石を取りに行くから、子供たちを頼むぞ」

「ええ、解ったわ。ハンスもルディーンをお願いね」

「任せろ」

 こうして僕とお父さんは、二人して川まで石を取りに行くことになったんだ。


「ルディーン。どれくらいの石がいるんだ?」

「すぐ壊しちゃうつもりだから、そんなにいらないと思うよ」

 河原に着いた僕とお父さんはさっそく石集め。

 なんて言っても、河原にはそこら中に石があるから集めるまでもないんだよね。

 だから僕は、近くにあるのだけで階段を作るのにいるくらいのちょっとおっきな四角い石を作ったんだ。

「そんなにいらないって言っても、流石に結構大きいな」

「うん。だってもし持って帰った時に、石の大きさが足んなくってベニオウの実に届かなかったらやだもん」

 ほんとは僕も、こんなに要らないと思うんだよ。

 でも今考えてる階段は作った事がまだ一度もないでしょ?

 だから材料が足らなくならないように、思ってるのよりちょっと大きめの石を作ったんだ。

「なるほどなぁ。でもこれだと流石に大きすぎて通れないところもあるんじゃないか?」

「そっか。じゃあ、もっと細くしないとダメだね」

 僕が作った石はね、どっちかって言うと平ぺったい形をしてるんだ。

 なんでかって言うと、運ぶんだから安定してる方がいいって思ったから。

 でもこの形だとお父さんの言う通り、途中に生えてる木が邪魔で通れないとこがあるかもしれないんだよね。

 だから僕はクリエイト魔法を使って長方形の柱みたいな形に作り替えたんだ。

「お父さん、これなら大丈夫かなぁ?」

「そうだな、これなら多分どこでも通れると思うが……でもこの形だと、運んでる途中で倒れたりしないか?」

「大丈夫だよ。だってフロートボードの魔法は載っけたものがくっつくようになってるから、横からど〜ん! ってしたりしなかったら倒れたり落ちちゃったりする事無いもん」

 横から大きな力がかかると魔法で作った板ごと倒れちゃったりすることもあるけど、そんな事しなければ載っけてるものがどんな形をしてたって倒れたりしないはずなんだよね。

 だから僕はフロートボードの魔法をかけて、目の前の石を浮かべて見せてあげたんだ。

 そしたらお父さんは、その石を軽く押したりして倒れないかを調べ始めたんだよ?

 でも、押したら向こう側にすーって動いちゃうし、引いてみたらやっぱり自分の方にすーって動いたもんだから、大丈夫って思ったみたい。

「これならみんながいるところまで問題なく運べそうだな」

 お父さんはそう言うと、じゃあ帰ろうかってその石をベニオウの木がある方へ押し始めたんだ。

「あっ待って、お父さん。そのままだと運びにくいでしょ?」

「確かにそうだけど、何か便利なものがあるんか?」

 フロートボードは浮かべられる重さなら簡単に運べちゃうけど、力があんまりいらない分押して運ぼうと思ったらちょっと苦労するんだよね。

 だから僕はポーチの中からいつも使ってる鋼の玉とちょっとしたものを縛るための細いひもを取り出すと、細いひもを石に巻き付けてから鋼の玉をクリエイト魔法でフックの付いた丸い輪っかに作り変えてそのひもに引っ掛けたんだ。

「ほら、これをもって引っ張れば簡単に運べるでしょ?」

「確かにそうだね。よし、それじゃあみんなの所に戻るぞ」

「うん!」

 無事、階段にする意思を手煮れた僕たちは、みんなの待ってるベニオウの木に帰る事にしたんだ。



 階段を作るところまで行けるかと思ったんですが、相変わらず集中力が続かないために時間がかかり、こんな中途半端なところで終わってしまった。

 次回はちゃんと収穫して、さらにその後の展開まで行けるといいんだけどなぁ。


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